ダーウィンとミミズ ― 『ミミズの話』


エイミィ・ステュワート著『ミミズの話』を読んだ。
まさに、ミミズの話。ミミズがいかにすごい生き物かがよくわかった。

そのなかでダーウィンの話が出てくる。彼の最後の著作は、1881年出版の『肥沃土の形成』(邦訳『ミミズと土』)で、ミミズの生理と行動に関するきわめて詳細な研究だったそうだ。

なぜまたミミズ?と思ったが、次のフレーズを読んで、なんとなく納得。
ダーウィンは、彼以前の科学者がだれも気づかなかったこと、つまり、ミミズには何十年、何百年もかけて少しずつ地質学的変化をもたらす能力があることに気づいていたのである。この考え方—微々たる変化の積み重ねが莫大な結果をもたらすという考え方—は、彼の進化や種の起原に関する研究ともぴったり調和する。
それにしても、ミミズ、すごいです。
ダーウィンは、ミミズが消化管内に取り込んで糞として排出する土の量について論じ、庭土には1エーカー当たり5万匹以上のミミズがいて、1年間に18トンのミミズ糞が排出されると推計している。
1エーカー=4,046.85642平方メートル。だいたい64メートル四方。
約1,200坪。東京ドーム=約11.5エーカーらしい。

これでも十分すごいと思うのだが、
現在では、ダーウィンが認識していたのは、ミミズの潜在能力のごく一部にすぎないことがわかっている。また、1エーカーの土地には5万匹以上のミミズがいるとしたダーウィンの推計はあまりにも少なく、今日では100万匹という数字が示されている。
とのこと。

また、ミミズは、3億5,000年前くらいに登場し、2億4,800万年前のペルム紀末の大絶滅(陸生種の大半と海生種の90〜95%が絶滅)や6,500万年前のジュラ紀末の大量絶滅(恐竜はじめ地球上の生物の4分の3が絶滅)のときも生き残ったらしい。

そのほか、
  • 4,500種もいる
  • 肺がなく皮膚で呼吸する
  • 眠らないようである
  • 玉ねぎとワサビが嫌い
  • ユリの花の匂いがする巨大ミミズがいる
  • 30~40回切断されてもなお体節を再生させるものがいる(ちょっと残酷……)
などなど、驚くべきことが山ほど出てくる。ミミズ、おそるべし。

しかし、ルンブリカス・テレストリスとか、アイゼニア・フェティダとか、アポレクトデア・カリギノーサとか、おしゃれな学名を付けてもらってるのね。


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