ロウソクの科学


マイケル・ファラデー著『ロウソクの科学』を読んだ。

これは、1861年末のクリスマス休暇にファラデーが、ロンドンの王立研究所で行った連続6回のクリスマス講演の記録である。1791年生まれのファラデーはこのとき70歳。この年を最後として研究所を去り、6年後にこの世を去ることになる。

ファラデーはロンドンの場末の貧しい鍛冶屋の次男に生まれ、早くから家業を手伝わされた。そして小学校に通う年頃に製本屋の小僧となった。そんなファラデーが科学の道に進むきっかけになるのが、王立研究所のハンフリー・デービーの公開講演だった。

彼が長い研究活動の最後にクリスマス講演を行ったのは、きっと自分が科学の楽しさを教えてもらったように、若い世代の人たちに科学の素晴らしさを伝えようと思ったからではないかな。

ファラデーが行ったはじめてのクリスマス講演は、美しい衣服をまとった王侯貴族から一般市民の子弟まで、ロンドン中のあらゆる階層をひきよせた。そして、その後もクリスマス講演は連綿と続き、1961年に百年祭を迎えることになる。

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・ロウソクの科学(山形浩生訳/プロジェクト杉田玄白)
http://www.genpaku.org/candle01/index.html

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