ミノタウロス


佐藤亜紀さんの『ミノタウロス』、読了。

映像と音と匂いが凄まじく凝縮された物語だ。
戦争、破壊、暴力、略奪・・・そのようなものをこのレベルで表現できる作家はなかなかいないような気がする。

はじめから320ページまでの積み重ねは、最後の40ページの疾走に向けた助走みたいなものだろうか。読み終えた後しばらくは、起こりえた未来と現実との間に置き去りにされて考え込んでしまった。

途中で投げ出さずに最後まで読まないともったいない本だよ。

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