「Bar ルヰ」からの散歩道
「Bar ルヰ」というお店がオープンした。
気になる店名のルーツを尋ねると、
半村良さんの小説『雨やどり』に出てくる同名のバーから採ったとのこと。
何でも、昔、彼はこの小説を読んで、
将来バーテンダーになりたい、店を持ちたいと考えていたそう。
それだけ思い入れのある名前を付けたということだ。
良いバーになるだろうな・・・
気になって『雨やどり』を読んでみた。
その時代のその場所にはいなかったのに、懐かしく感じてしまう本だった。
暗くて湿ってて変な匂いがするけど、人情あふれる古き良き新宿の夜の世界。
「Bar ルヰ」ももちろん出てきて、これから店に行くたびに、
この小説の世界と少しだけクロスオーバーしてしまいそうだ。
半村良さんといえば、大昔に読んだ『妖星伝』が印象的だった。
地球は生命に満ちあふれた「醜い」星で、
こんな星は宇宙でも他にないという見方が強烈だった。
草の上に草が生え、獣が獣を喰らう異常に生命が密集している特殊な星だ、
というような意味だったかな。妙に納得した覚えがある。
実家の本棚にあるかもしれないな。
こんど帰ったら探してみよう。